高札場
. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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2025/07/28 (Mon)
短期集中になるといいな連載 【384】
25
不意に割り込んだ声の出どころを仰いでみれば、衝立に手を掛けてその向こうから仙蔵が覗き込んでいた。
「出――たぁ!」
そう叫んだのは誰だったのか、仙蔵と反対側の壁際まで全員が一斉に飛び退く。
あまりと言えばあまりな反応に、さしもの仙蔵も少々傷ついたような顔をした。
「私は悪鬼妖怪か何かか」
「どもー」
作法委員長の嘆きをよそに、軽い挨拶とともに衝立の脇からひょいと喜八郎が顔を出す。緑と紫と井桁模様の団子の中に埋もれた2つの青を見とめ、両手を床についてはいはいでにじり寄ってくると、伊作の方を向いて五年生たちを指した。
「連れて行っていいですか」
「人を指差すんじゃないの」
「はあい。それで、いいですか」
そろそろ宿題に取り掛からないと僕もまずいんですと、この状況にあって未だ膝に顔を伏せている雷蔵の脚に手を掛けてがくがくと揺らす。
「不破先輩、久々知先輩、長屋に帰りましょう。もうクスリは抜けたでしょ」
「待て綾部。不破はいいが、久々知は置いてけ」
「ほう」
さらりと不穏な発言をした喜八郎に文次郎が待ったをかけると、仙蔵の目が興味深そうに光った。するりと衝立の内側へ入り、全員が壁に寄ったせいで空いた場所に当然のように腰を下ろす。
「何の話をするのかな」
「腰を据えるな! 会計委員会の活動に関わる話だ。部外者は立ち入るな」
「しかしなあ。伊作」
徐々にほどけた団子から抜け出そうとしていた伊作に、仙蔵がのんびりと声を掛ける。
「お前は今日の放課後、床下や天井裏まであちらこちら回っていたな」
「あれは……虫除けを撒いてたんだよ。害はまだそれほどじゃないけど、最近、虫が多いだろう?」
「そうだな。それは私も感じていた。で、我々の部屋の天井裏で何を見た」
「え、それじゃあれ本当に仙蔵の……」
「何を見た?」
2013/11/25 (Mon)
短期集中になるといいな連載
古武術画像いち
25
壊れたパソコンからサルベージしたデータをつらつら眺めていたら昨年の古武術奉納演武会の写真が出て来た(自分は観覧者です)ので載せてみる。
古武術と言いつつ、横須賀ベースから来た日系人トレーナー主催のコマンドサンボサークルがいたりして色々とカオス。
抜刀術の演武前
立ち姿かっこよす
棒術(攻め手) 対 木刀(受け手)の約束組手
の割には棒術の方の腰が妙に引けてる
どこかに兵助の得意武器・寸鉄の演武の写真もあるはず…
2013/11/25 (Mon)
雑記
短期集中になるといいな連載 【383】
24
「結局私が暴露してしまいましたけど、善法寺先輩がいずれ生物委員たちの持っている瓶の存在に気付くことも、竹谷先輩の想定の内だったと思います」
しかし下級生のもとにある四つ乃至五つの瓶のうちのどれかが本物だと当たりをつけたところで、伊作にそれを盗み取ることはできない。忍術学園の六年生なのだから技術的に盗めない訳ではないが、そこに立ちはだかるのは無垢の信頼だ。
「……そ、それくらい、出来なくて何が忍者か!」
「左吉。こっち来い」
くわっと目を見開いて力む伊作の横から、文次郎が左吉を呼び寄せる。そして伊作と正対する自分の前に座らせ、後ろから両手で左吉の頭を挟むと、ぐりんと軽く仰向かせた。
「この顔を見てもそう言えるか?」
文次郎の意図を察した左吉は、きらめく双眸からきらきらした何かが迸り出そうな"無邪気な顔"で、両手を胸の前で組みさえして、一心に伊作を見詰める。
……意外とノる。て言うか、あざとい。
鼻白んだらいいのか笑えばいいのかと三木ヱ門は内心で少し迷ったが、伊作にはてきめんに効いた。がっくりと肩を落とし床に両手をついて呻く。
「うう……、卑怯な」
「返却を迫られたら偽物を渡す、本物は偽物の中に混ぜて隠す、隠し場所は優しさゆえに下級生を裏切れない善法寺先輩なればこそ手を出せない所、という三段構えの策を巡らせた竹谷先輩の勝ちです。今回の件は」
「だな」
左吉の頬をぐにぐにとこね回しながら文次郎も同意したが、その後でちょいと口を曲げた。
「同室の野郎は平気で欺いたのにな」
「同級生なら詐術に気付けない方も悪い。部屋に忍び込まれる隙を見せるようなやつも悪い」
「開き直りやがったよこいつ」
「文次郎、お前の部屋の天井裏には――」
「何もねえよ! あったとしても仙蔵のだよ!」
「呼んだか」
2013/11/24 (Sun)
短期集中になるといいな連載
短期集中になるといいな連載 【382】
23
「単純に考えれば、善法寺先輩がそうするより先に、竹谷先輩が薬を別のものとすり替えていたというところでしょう」
蜜漬け薬の存在が伊作に対する一種の抑止力になることを、八左ヱ門は先刻承知だった。
本物の方を易々と手放すつもりなど最初から無かったのだろう。
壷の蓋を開ければ中身が偽物だということなどすぐにばれる。それが分かった上で壷を返し、伊作の反応を見て、その薬が伊作にとってどれほどの切り札になるのか見極めようとした。
「まさか石礫を浴びせられるとまでは思っていらっしゃらなかったでしょうけども」
八左ヱ門は予想以上に激烈な反応をした伊作から逃げ惑いながら、共犯の証拠をあっさり返すと思いましたか、本物はとっくに隠してあります、その在処は喋らない――、なんでここまで猛追されるのかいまいち理解できないけど「それも忍術です!」と開き直った。
「すると、下級生たちが持っている"小さい瓶"ってやつの中身がそれだな?」
「はい。おそらく」
しかし、すべての瓶がそうではないでしょう。
続けて言った三木ヱ門の言葉に文次郎と左吉が顔を見合わせる。ようやく一度瞬きした伊作は、ぐっと前のめりになった。
「それは、瓶にも本物入りと偽物入りがある、ってことか」
「善法寺先輩は下級生から見て最も信頼の厚い上級生のひとりだと思います」
「へ? ……それは、どうも?」
褒め殺し? と、伊作が訝しそうにかたかたと首を曲げる。
「そして今、一年生たちが――孫兵もかも知れませんが――長屋の自分たちの部屋に、本物か偽物かが入った瓶を隠していると予測されました。が」
そんな先輩が、薬を探しに一年生の私室に忍び込んで私物を漁るなんてことをなさるはずが、
「ない!」
阿吽の呼吸で左吉が断言した。
2013/11/23 (Sat)
短期集中になるといいな連載
短期集中になるといいな連載 【381】
22
体力増強剤に問題が見つかったと伊作が言ってからずっと思案顔で黙り込んでいた三木ヱ門は、文次郎を引き留めたまま伊作に顔を向け、「思い当たることがあります」とはっきり言った。
「私が話してよろしいですか」
このままでは会計委員長への心証は悪化の一途ですよと、言外に匂わせる。来月の予算が無くなりますよ、本当に。
「えー……うー」
「構わん。話せ」
口をぱくぱくさせる伊作の逡巡の呻き声をすっぱり無視して文次郎が促す。
では、と袖から手を離して三木ヱ門はかしこまった。
「生物委員会の一年生の虎若と一平が――おそらく三治郎と孫次郎もでしょうが、水飴だと言ってどこからか小さい瓶を貰って来たと聞いています。そうだったな、左吉」
「はい。最低三ヶ月は寝かせるように言われたと一平が言っていました」
「また"三ヶ月"か」
独り言のように文次郎が呟くが、伊作に聞かせるための一言だ。伊作は落ち着きなくきょときょと辺りを見回し、何度も手を組み替えては、また目をうろつかせる。
「僕は善法寺先輩が水飴を下さったものだと予想していましたが――そのご様子では違うようですね」
左吉がいかにも残念そうに肩を落とす。予想が外れたせいなのか、驚いて目を瞠る伊作の尋常ではない態度が残念なのか、どちらとも取れる絶妙な肩の傾斜が見事だ。
瞬きを忘れた伊作に、今度は三木ヱ門が語りかける。
「私は、その蜜漬け薬を水飴に偽装して、用具委員会の目から隠しているのだと思っていました。余ったからと捨ててしまっては勿体ないですから」
しかし八左ヱ門は中身が入ったままの壷を伊作に返したと言う。
その中身を見た結果、伊作は八左ヱ門を追い回した。
2013/11/22 (Fri)
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