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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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最近頻繁に目にする「佐村河内守」の文字列が頭のなかで自動的に「さむら・かわちのかみ」と音読されます。これでは伊助の出身地の殿さまになってしまう。
なんでこのタイミングで? との非難の声はあるけれど、フィギュア団体男子SPで羽生選手が使用した曲が洋楽着うたデイリーランキングで1位になった例に曰く、この後の個人で大注目を浴びること必至の高橋選手の使用曲が、かわちのかみさんの名で広まるのが影武者先生は「とても嫌だ」と感じたのかな―…と思います。本当の作曲者は自分なのに! という自己顕示欲でなくて、生身の体を削ってリアルに頑張っている本物に肩書きだけの偽物が便乗するいやらしさが嫌だったんじゃないかなあ。
自称作曲者と個人的に交流があったのでもなさそうですし、曲を書いたのが誰であろうと、周囲が余計なことを言わなければ高橋選手のメンタルには影響しない気がする。


話題ふたつめ。

知らないうちにご当地B級グルメのひとつとしてもんじゃ焼きがわっしょいされていたのですが、地域によっては「もんじ焼き」とも呼んでいます。
なもんで、他サイト様で文次郎が「もんじ」の愛称で呼ばれるのを見るたびにこんな絵が浮かぶ。



これは不味い(確信)。

そしてもんじゃ焼きをキャラ化した衝撃のビジュアルはこちら
ゆるキャラが集まるイベントで他キャラについばまれるところまでがワンセットです。
「俺が何を独占してるんだよ」
「そう言うのか。なら、田村を用具にくれ。うちは常に人が足らねぇ、働き手は何人いたっていい」
「馬鹿か」
妙な成り行きに困惑して突っ立っている三木ヱ門に向かって留三郎が手招きし、却下の言葉ではなく苦り切った一言で、文次郎は一瞬の躊躇もなく拒絶する。
「田村がいないと困る」
「会計の戦力的にか。それとも、お前が個人的にか」
「両方だ」
繋いだ三木ヱ門の左手ごと右手を持ち上げて、文次郎は三木ヱ門の肩を手の甲でこつんと叩いた。
「俺だけじゃ手が回らない仕事の補佐、判断に迷った場合の相談やミスの指摘、間違った方向へ突っ走りそうな時の諫言、数え上げたら切りがねえが、それをしてくれるのがこいつだ」
「それこそ独占……」
「それじゃ、作兵衛を会計にくれと言ったらくれるのか」
「やなこった。俺の後輩だ」
しゃがんで膝を抱えている留三郎は即答し、その姿勢のまま少し仰のいてくるりと目を巡らせ、一歩下がって頭を起こした作兵衛を見た。
「なあ、作兵衛。会計なんかに行くの嫌だろ?」
「はいっ!」
作兵衛が勢い込んでいい返事をした。そしてすぐに、あ、という表情になって、"なんか"呼ばわりされた会計委員の上級生たちに申し訳無さそうに目礼する。
その謝罪を押し返すように、文次郎は空いている左手をひらひらと振った。
「収まるべき場所に収まったところでとっとと医務室に行け、バカアヒル」
「だからアヒルって呼ぶな。それに馬鹿と言う方が馬鹿だって至言を知らねえのか」
「馬鹿に馬鹿と言って何がおかしい」
「俺が馬鹿ならお前は大馬鹿じゃねえか、バカガラス」
「カラスって。どこから出て来たんだ」
「お前が着けてた飾り結び」
「あれはふくら雀だ、馬ぁ鹿」
「また馬鹿っつったな!」
「……」
口論と呼ぶにはあまりに子供じみた言い争いだ。
放っておけば際限なく続きそうな気配を察し、三木ヱ門と作兵衛は視線を交わして頷き合うと、六年生への尊崇が消える失せる前に、ふたりを引き剥がしてそれぞれの目的地へ再度歩き出した。

かたかたかたと寸刻みに首を回し、何故か文次郎を見た。
「ちっちゃい子」だと思っていた後輩の強い主張に戸惑って、似た立場の同級生に思わず助言を求めた――とするならば、潮江先輩はこの状況で何を仰るだろう?
三木ヱ門がこっそり横顔を窺うと、鼻にしわを寄せた文次郎はなんと、留三郎に向かってあかんべえをするように舌を出してみせた。
それを見た留三郎は目を丸くした。が、三木ヱ門の予想に反して怒りだしはせず、大きくなった目の中で瞳がきりきりと動いて三木ヱ門を見る。
視線がかち合う。
留三郎がそのまま首をかしげ、釣られて三木ヱ門も首を傾けると、留三郎の顔にじわりと苦笑が広がった。
「朴念仁か。なるほど、朴念仁だ」
伝言にかこつけて三木ヱ門が作兵衛に言わせた言葉を自嘲気味に繰り返す。そしてその場に膝を折ってしゃがみこむと、まだ頭を下げている作兵衛の顔を下から覗き込んだ。
六年生を見下ろす格好になった作兵衛は慌てて自分もその場に屈もうとしたが、留三郎が自由になった右手を上げてそれを押し止める。
「済まなかった。俺は作兵衛の意気地を大分低めに見積もっていたんだな。それに……、ええと」
言いにくい言葉を口にする景気付けなのか、ひどく痛むはずの鎖骨の辺りを軽く握った拳でとんと叩き、一瞬ぐっと息を詰めて、それから一息に吐き出した。
「用具は下級生ばっかりだから俺が面倒を見なくちゃ、って大変がってるのが楽しい、と言うか嬉しい、と言うか……、庇護欲ってぇのかな、自分のそれを優先していたきらいがある、かも」
「往生際が悪りぃぞ」
茶々を入れる文次郎に、今度は留三郎がべえと舌を出した。
「独占欲よりゃマシだろうがよ」


それは言い換えれば、危険に伴う責任を負うのは委員長である自分でなければならないという責任感の表れだ。
しかし言動が全体的にずれたままの状態で動き回られても周囲が困る。そして、三年生ながらに作兵衛には二番手の矜持があるのを、三木ヱ門は知っている。
後は任せるとか、しばらく頼むと言おうとしない留三郎に、作兵衛はぴりっと頬の線を硬くした。
「なんで先輩は俺を信用してくれねぇんですか?」
「ん?」
微妙に敬語になりそこねた切り口上で尋ねられて、留三郎は一瞬ぽかんとした。その間の抜けた表情が癇に障ったとばかりに作兵衛は首にかかっていた留三郎の腕からじたばた抜け出し、抱えていた方の腕も放り出して、キッと睨み上げた。
「そりゃ、先輩に比べたら身体は小さいです。非力です。考えも浅いし判断力もないです。だけど、一から十まで面倒を見て頂かなくちゃならないほど弱くて物識らずじゃない、ですよね私は?」
「あ、ああ? うん」
「勢いで頷かないでください!」
ならどうしろと、と言いたそうな顔で、留三郎は引きかけた顎を中途半端な位置で止める。
「そういえば作兵衛、滝夜叉丸がお前のことを"迷子ふたりをまとめて引き回すのは凄い"と褒めていた」
言ってやれ言ってやれと内心で旗を振っていた三木ヱ門が援護射撃を放つと、瞬間目を剥いた作兵衛は素早く会釈して、一段と声を勇ましくした。
「何でも任せて下さいなんてとても言えません。でも、出来ることと出来ないことの区別はできます。そんでもって出来ることは全力でやります。だから、もうちょっと――もうちょっとだけ、私を当てにして下さい」
作兵衛ががばっと頭を下げる。
留三郎の口が開いた。声は出ずに、そのまままた閉じる。

「その上、てめえの怪我の程度も把握できないでふらふら出歩いてると来たら始末に終えねえ」
さっさと医務室に行って伊作になぶられてろと皮肉げな口振りで言い、文次郎は自分の肩越しに後ろを指す。
言い返す時機を窺っていたのか、眉を上げたり下げたりしながら口をつぐんでいた留三郎は、丁度眉が下がっている時にぼそりと言った。
「それは"別に心配してる訳じゃないんだから勘違いしないでよね!"ってやつ?」
「そんなに埋められたいのか」
「やだ」
「先輩、潮江先輩の仰る通りです。ちゃんと手当てを受けてください」
事の詳細は作兵衛には分からなくても、留三郎の調子がおかしいのだけは確かだ。また口論になりそうなところへ遠慮しいしい割って入り、しかし叱責の口調で、留三郎に進言する。
留三郎は頭が外れるのではないかと思うような急角度でがくりと首を傾け、真面目な顔で自分を見上げている作兵衛を見た。
「先輩が養生をされている間は私と一年生たちで精一杯励みます。ご心配はお掛けしませんから、どうか」
「うん……、うーん」
困ったように留三郎が唸る。
用具委員会は六年生の委員長が抜けると、一・三年生だけの下級生所帯になる。それでは力仕事ができない――ということは、怪力の一年坊主・しんべヱがいるから無いが、下級生だけで危険な作業をしなければならない状況が巡ってこないとは限らない。留三郎の徘徊には、それを憂慮して「休んではいられない」と気を張っている面も、あるにはあるのだろう。

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