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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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ついでに
オリンピック関連の記事を海外サイトで斜め読みしてみると、日本の報道といろいろな方向で視点が違っていてたまに面白いです。羽生選手が「アルティメットサバイバー」なんてヘビメタバンドのアルバムタイトルみたいな呼ばれ方をしてたり葛西選手が「ザ・レジェンド」と崇められてたり。
Yahooカナダのジェレミー・アボット選手の記事の「2回のオリンピック出場と4回の全米選手権優勝は伊達じゃない」と主張する本人発言の部分が、どんな性格の人なのか分からないながら頭の中でべらんめえ調に和訳されました。
記事の大意は「言いたい放題の批評家の批判を実際の演技でねじ伏せた」(…だと思う)ですが、SPで転倒した自分の画像をFS前に見て"It gave me a chuckle, a painful chuckle but a chuckle.(意訳:苦笑いだけどそれでもニヤッとしちゃった)"と言ってる辺り鋼のメンタルを持ってそう。

聞きかじった言葉の意味を深く知らずにぺらりと喋る耳年増の厄介さは、団蔵のおかげで今日はもうお腹いっぱいだ。仏頂面の三郎次の頭のてっぺんをくりくりと撫で回しているタカ丸に、話を逸らそうとして三木ヱ門は急いで声を掛けた。
「その道具箱、焔硝蔵に持って行くんですか」
「ううん。立花先輩の所」
旧式の調合道具とどこが違うのか新品のうちに見ておきたいと頼まれて、長屋の私室へ運ぶ途中なのだと、タカ丸は木箱をちょっと持ち上げてみせる。
さすが勉強熱心な火薬使いの第一人者、と三木ヱ門は単純に感心したが、文次郎は少し顔色を変えた。何か言おうとして口を開け、思い直したようにすぐに閉じ、眉間に浅くしわを刻んで火薬委員たちから目を背けている。
その時、四人が立っているすぐ近くから、ぱたぱたぱた――と軽い羽音が飛び去っていくのが聞こえた。ちらりと見えた影は何の変哲もない、丸っこい小鳥の形で……
「あ」
三木ヱ門の下顎ががくっと落ちた。
「ん? どしたの?」
「……喜八郎の宿題を手伝う前に、左近のレポートを見る約束もしてたんだった」
「えー。石火矢のレポートに田村先輩の助けを借りるなんてズルい」
首を傾げるタカ丸に三木ヱ門がぎくしゃく答えると、左近と同じ課題が出ている三郎次が思わずのように文句を言い、すぐにそれを取り消すように「まあ僕は何とかなったけど」と横を向いて呟く。
その強がりに付き合う余裕は三木ヱ門には無い。
左近の話を出したのは咄嗟のごまかしだ。いま飛んでいったすずめが忍雀かどうかは分からない。しかし、すずめの間諜の報告でもこれから長屋へ向かう火薬委員の何気ない雑談の中でも、「文次郎が三木ヱ門に"プロのお姐さん"の髪型をさせた」と仙蔵が知ったら、どうなるか。

ブログ連載の#420から#460までサイトに再掲しました。もうちょっとで終わります。たぶん。
最初から読み直して畳み残しの風呂敷を確認していると矛盾がぽろぽろ出て来て笑えない。


いつもの2倍時間をかけて出勤したら社屋周りの雪かきで半日終了して腕よりも腰がガチゴチに痛いです。シャベルで雪をすくっては投げすくっては投げして膝高の雪を掘り進んでいたらラッセル車呼ばわりされて、ラッセル車→人間ラッセル→ラッセラーに変化したひとりねぶた祭り。
週中にまた雪予想が出てるけど、現状壊滅状態の物流が更にドン☆になるから勘弁して…
ちょっとオリンピック観戦どころではなくなってきました。

道を歩いているとぽこぽこと目につくこの残骸はなんじゃろな

と上を見たら雪の重みで落下した街灯だった時の衝撃プライスレス。
頭巾を折って作った五弁花が元結の所で少し緩んで、へろりと横に倒れる。
揃って固まった会計委員たちに、タカ丸は「信じらんない」と呆れ顔をした。
「唐輪髷が載ってるなら、立花先輩が持って来た図会って」
「作法委員会で使う資料だよ!」
「それでも、先輩は知っていたんでしょ? 吊るし柿じゃないほうの柿暖簾を潜ったことのあるなしはともかく」
「知っていればやらない!」
それを見ながら仙蔵が生首フィギュアで試していたのを見覚えていただけだと抗弁する同い年の先輩に、そんな初心い十五歳がいるものかなあとばかりに、流行に敏感な髪結い見習いは胡乱げな目を向ける。
「可愛く飾り結びまで付けたのに?」
「それは――」
「つまり、」
上級生たちのひそひそ話に無関心そうにしていた三郎次が突然声を上げた。一斉に注目を浴びても怯む様子もなく、逆にじろりと眺め返す。
「潮江先輩は田村先輩に遊女の髪型をさせて連れ歩いてたんですね。わーあ、趣味悪い」
聞いていないように見えてしっかり聞いていたらしい。火薬委員会の敵対者たる会計委員長をすくい上げるように見上げ、わざと小憎らしい感じに顎を突き出してみせる。
しかし二年生が臆面もなく「遊女」と言ってしまう辺り、タカ丸の教育的配慮台無しである。
「三郎次、意味が分かって言ってる?」
「知ってますよ、それくらい。実家は漁が生業だから、買い付けにいろんな人が来ていろんな話をしていくし」
例えばこういう話題が――と三郎次がするすると話しだすと、拍子抜けしたように目をしばたたかせて聞いいたタカ丸は、泡を食ってそれを止めた。
「待った待った待った。それは話を知ってるだけだよ、やっぱり分かってない」
「なにか違うんですか?」
「大違いです!」
人前でそういう話をしてはいけませんとタカ丸が真剣にたしなめるものの、三郎次は不承不承な様子で首をひねっている。
実のところ三木ヱ門は三郎次が話したことの意味が分からない。
分からないが、また文次郎が明後日の方に視線を飛ばしてしまったので、なんとなく見当はついた。


そう言いながら、三木ヱ門を――飾り結びを付けた三木ヱ門の唐輪髷を見る。
「できが悪いか。仙蔵が持って来た当世図会で見たんだが」
「いえ、上手に作れていますけど、そうじゃなくて」
タカ丸が厳しく頭を横に振り、文次郎が首を傾げ、結び残した頭巾の先に触れて三木ヱ門もきょとんとする。
何を叱られているのか分からない。
会計委員たちの顔にそう書いてあるのを見て取ったタカ丸は、ちらりと三郎次に目をやって、まだ道具類をかき回しているのを確かめてからやや声を低めた。
「後輩にこの髪型を強要するとか、そういう倒錯したのは……」
「ああこれ、強要ではないです」
好きでしているのでもないが、嫌なら解いていいと言われているほんのいたずらだ。ことさら文次郎を庇うつもりでもなく三木ヱ門が言うと、タカ丸はえっと目を瞠った。
「だって前にヘアカタログを見せたよね?」
「ええ、堺や京で流行り始めてる最新モードって……あ、女の人の髷だから駄目ですか」
「だけじゃなくて!」
忍者はそれが必要なら化粧までして女装をするのだから髪型くらい、と三木ヱ門が気軽に言おうとすると、タカ丸はなぜかまた素早く三郎次を盗み見た。そしてぐっと三木ヱ門と文次郎に身を寄せて、口の端で囁いた。
「唐輪髷って、プロのお姐さんがするんだよ」
「プロ?」
「柿色の」
ほんの一瞬、箱を両手で抱えたままタカ丸は器用に体をくねらせてみせる。
文次郎はその瞬間に「プロのお姐さん」の意味を察したらしい。三木ヱ門の元結に巻き付けた髪を留める紙縒りを抜く手も見せず引き抜き、ばさりと背中に束髪が落ちた時に、三木ヱ門もやっと理解した。
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