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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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「どうした」
こめかみの辺りを押さえて急に黙り込んだ三木ヱ門に、留三郎がさっと目を向ける。
「今、何かが繋がったような、すれ違ったような……」
見たまま、聞いたままに詰め込んだ情報が頭の中で絡まってもやもやする。その靄を払うようにゆっくり首を左右に振る。居所の知れない木下先生、その木下先生へ報告に走った竹谷先輩はいま裏山にいて、竹谷先輩が門の方へ向かうところを不破先輩が見ていて、不破先輩は学園長先生の庵へ古書を運ぶところで、それは五年生対象の特別講座のおかげで学園長先生が何か思いついたからで――ええと、ええと。
火鉢にくべていた炭が、思いがけず大きな音を立ててパチンと爆ぜた。
「あ」
それと同時に揺らしていた頭が止まる。
孫兵と留三郎と、事のついでに乱太郎も三木ヱ門に注目した。
「……今の音ですっ飛んじゃった」
その代わり、関係ないことを思い出してしまいました。
視線を浴びた三木ヱ門がそう言って頭を掻くと、だあっ、と3人がこけた。
しかしどういう訳か、弾けて消えたまとまりかけの考えと一緒に、焦る気持ちも消え失せた。
大丈夫! という根拠のない確信だけが、胸にどんと居残っている。
なんで? 何これ?
自分で自分の思考に戸惑い、しかし不安が膨らんで潰れそうになっている孫兵を楽にしてやらなくちゃと、とにかく三木ヱ門は口を開く。
「たぶん、何も心配いらない――根拠は忘れてしまったが、たぶん大丈夫だ」
「はあ……。たぶん、ですか」
「ただの勘って訳じゃなさそうだな」
不得要領な顔で孫兵がぱちぱちと瞬きし、三木ヱ門の落ち着いた表情を見て留三郎も不思議そうに首を傾げる。
その時、三竦みの谷間から声がした。
「あのー。木下先生がどうとかちょっと聞こえたんですけど、何かあったんですか? 大丈夫って?」
蜂蜜の壷を抱えた乱太郎がキョトンとしている。
留三郎が真面目くさった顔で唇の前に人差し指を立てた。
「チーム牡羊座の機密事項だ」
「えー。内緒話ですかぁ」
「……何の組織ですか、それ」
ずるいずるい面白そう、と地団駄を踏む乱太郎を横目に、孫兵が三木ヱ門に小声で尋ねる。
少し考えて、答えた。
「乗りかかった船がアヒルさんボートの海賊に遭って櫂を取られたにわか同盟」
「……へ?」
「お前も入るか? チーム牡羊座」
「僕は山羊座です」




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