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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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「あの猿が人に懐く予感は全然しねぇが」
手のひらで肩を叩き、その手で首をさする。
「竹谷のことだ。何だかんだ言っても、うまく計らうだろ」
三木ヱ門は文次郎を見上げてぱちぱちと瞬きする。
「信用?」
「信用」
首を傾けつつ三木ヱ門が尋ね、それに応じた文次郎は同じ言葉を口にして顎を引く。
只今のところ疑惑のかたまりである兵助をあっさり解放した時も文次郎はそう言っていた。不正に不正を重ねるようなことはしないと信じる、という言葉は、三木ヱ門にはずいぶんと甘い対応のように思えた。
……先輩って意外と簡単に他人を信じるのかな。そうすると、「お前を信用しているし――」っていうのも……実は先輩にとっては、そんなに重い台詞じゃなかったりして?
ごちゃごちゃと考え出した三木ヱ門をよそに、軽い口調で文次郎が付け加える。
「まぁ、嘘は言うがな」
「嘘なんですか!?」
「んっ?」
凄い勢いで頭を上げた三木ヱ門に文次郎が面食らう。そのぽかんとした表情を見て、三木ヱ門の方も一瞬「あれ、何の話だっけ」ときょとんとした。
「田村、お前また一人相撲をしてないか」
「かもしれません……だといいんですけど」
「それでまた煮詰まってたら世話ねぇよ。内圧が膨れて破裂する前に適当に喋れ――あー、喋れることなら、だが」
そう言われても、と三木ヱ門は身を縮める。
自分の尻尾を追いかける子犬のように埒もないことをぐるぐる考えていたら、つまりこれは焼きもちだと思い当たってしまった。三木ヱ門が他の委員会の五・六年生とつるんでいるのを見るのは面白くない、とぶちまけた文次郎の裏返しで、文次郎が自分以外の誰かに信頼を表明するのを見るのは気が揉める――
「わー!!!」
三木ヱ門が突然大声で叫び、文次郎はぎょっと身を引いた。

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