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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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勢い良く跳ね起きた兵助の後ろ頭で顎を突き上げられた文次郎が仰け反る。
「あ、入った」
伊作が呟き、咄嗟に床に手を突いた途端に文次郎の体が肘から崩れ落ちた。
「わあ、潮江先輩しっかり!」
「あれ? 今の何?」
慌てて文次郎に取りすがる三木ヱ門と左吉と目をぱちくりさせてきょろきょろする兵助を、笑いを噛み殺しながら見比べて、仙蔵は床でうずくまる文次郎に声を掛ける。
「ギブアップ?」
「ノー!」
「駄目。ドクターストップ」
ふらふらと頭を起こした文次郎が噛み付くように言い返したが、まだ抱えていたお盆の底をコーンと叩いて伊作が割り込む。強烈なアッパーカットの一撃で脳震盪を起こしている証拠に、沸騰した鍋の中に放り込んだ豆のように揺れている文次郎の黒目を覗いて、仙蔵が宣言した。
「開始4秒TKO負け、だ」
「ちくしょー……いや、何の勝負だよ」
「ノッたくせに」
「負けず嫌いだからな、こいつは」
「あのー?」
「せっかく目を覚ましたが、残念ながらここに豆腐は無いぞ」
事態が把握できない様子できょとんとしていた兵助は、にまにま笑いの仙蔵にさらりと言われて少し眉をひそめた。
「ええまあ、医務室に豆腐があるとは思いませんが……その言い方では、私が寝ても覚めても豆腐に焦がれているみたいじゃないですか」
概ね合っている、と思う。
とは言えず三木ヱ門が口をつぐむと、隣では左吉が両手で口を押さえていた。


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