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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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「か、か、か、か、」
「カラスウリじゃなくて烏かな?」
「か、からかわないでください」
やっとのことで抗議したものの、全力で走った後のように頬が熱いので鏡を見るまでもなく自分が赤くなっていることは分かり、それがまた恥ずかしくて、三木ヱ門は両手で顔を抑えて俯いた。
左吉はといえば、興味深そうな顔で、しかし口は閉じて、てんでに赤くなってあたふたする先輩たちを冷静に見比べている。
「……あー、もう! なんで俺が責められてんだよ」
耳が赤いと言われて反射的にそれを隠した両手を下ろし、ひとつ空咳をして、文次郎がじろりと伊作を見る。飛び退った時に放り出されたお盆を拾い上げた伊作はそれを盾のように体の前に立てて、その陰で肩をすぼませた。
どんなに頑張ってもお盆の裏に隠れるのは無理だ。承知の上での無駄な抵抗をしつつ伊作がこぼす。
「仙蔵、あんまり文次郎を煽らないでくれよ」
八つ当たりの剣突を食らうのは僕なんだよと嘆き、誰が八つ当りなんぞするかと文次郎が口調を荒げる。
「訊問が厳しいのは当たり前だろうが」
「ならば私は行き過ぎが無いよう監察をしよう」
「どうあっても居座る気かよ?」
三白眼を向けられても仙蔵はひるまない。少しだけ端に寄ってひらひらと片手を振る。
「私のことは空気とでも思って気にするな」
「近場に居られちゃ不快指数が高すぎんだよ!」
「それに、お前が思っているよりも私は事情に通じているんだ。そのことについては田村が知っているだろう」
「えっ!?」
爆弾を投げ渡された三木ヱ門は、振り向いた文次郎とばちっと目が合って硬直した。

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