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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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その代わりに仙蔵が好奇心いっぱいで身を乗り出した。
「不破の主観では、気がついたら医務室にいて周りを囲まれていたというわけだ。ここへ運ばれる前に何があったかは覚えているのか?」
てんでに明後日の方を向いた三木ヱ門たちを不安気にきょろきょろ見回していた雷蔵は、仙蔵の食い付きにやや身体を引きながら、気後れした様子で「途中までは」と頷いた。
「校舎の外を三郎と兵助と三人でうろついていました。確か馬がいて、田村と団蔵がその近くに……そう言えば立花先輩、三郎が部屋で寝ていると仰るのは?」
「作法委員会の活動に協力を頼んで、少々強引に顔を借りた」
「顔、ですか」
「そう。文字通りに"顔"が必要だったのでね。今日に限って鉢屋がお前の顔をしていなかったのは、運が悪かったな」
医務室から鉢屋の所へ疫病神が出張に行ったのではないかと言って、仙蔵は伊作を見てにっと笑う。
伊作は眉を下げて首を振った。
「疫病神は今日も元気に営業中だよ。数馬は水汲みに行ったまま長いこと帰れなかったし、僕は屋根から落ちるし……」
「不運と不注意は違うぞ。それで? 校舎の外へ出る前のことは?」
「えぇ……っと」
思い出すふりをして口ごもった雷蔵がちらっと三木ヱ門を見る。一年は組の教室で問い詰めたり問い詰められたりしたのは覚えているらしい。
しかし、仙蔵も意味ありげな目を三木ヱ門に向けると、小さく笑いかけた。
……教室の中になぜかすずめがいたんだっけ。そして、表へ逃げ出したら「指令が飛んできた」と言って喜八郎が助けてくれたんだっけ。
は組での押し問答の内容まで、まさか立花先輩は忍雀から聞いて把握しているんだろうか。
「記憶があやふやな時は、どの辺りまで覚えているか確認しておくのは重要だぞ。そうだろう、伊作」
「善法寺先輩、不破先輩はもう部屋に帰っていいですよね」
喜八郎がばっきりと話の腰を折った。

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