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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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「竹谷が何を隠してるんだ?」
事のついでに文次郎がそう尋ねると、兵助はもごもごと「新しく来た生き物」と答えた。
「預かりものだからって、見せてくれません」
「見たいのか」
左吉がちらりと文次郎と兵助を見比べて、首をすくめる。
「見たい。善法寺先輩は知っている、のに」
なぜかそこだけ敬語ではないはっきりした口調で言って、兵助はそれきり黙る。しばらく見ているうち、伏せた頭が一定の拍子で小さく上下し始めた。
「……本当に寝やがった」
寝ろと言ったら寝るって催眠術かよと、指先で頬を掻いて文次郎が呆れ顔をする。
ずっと張り詰めっぱなしだった反動で、粘着剤の成分でラリッたせいで必要以上に気が緩んで、それでこの有り様なんじゃないかと三木ヱ門はふと思った。焔硝蔵で"伊助"と密談をしている所へ文次郎が通り掛かり、疑心暗鬼で焦って駆け回っている――と言ったのは本人だ。
「面白れえな。……生物委員会が珍しい獣を預かったのは、俺らは巻き込まれたから知ってるが、お前はどこで知ったんだ」
地雷を撒かれた上に発言者にフォローもなく寝落ちされた伊作は、平和な寝息を立てている兵助にいくらか恨みがましい視線を向けた。
「話が逸れてるんじゃないか? 小平太が作りかけの薬をくすねて、それは生物委員会に頼まれたものだったって話だろう? うん、確かに竹谷に頼まれて生物用の滋養強壮薬を作ったよ」
「ゼロヨンラットレースのねずみに使うドーピングですね。用具委員会がとばっちりを受けて大変なことになっていますけれど、ご存知ですよね」
すらりと三木ヱ門が言うと、伊作は苦い表情をした。

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