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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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もっとも、それらしく見える状況だった「だけ」ってことは奴も分かってるんだろうけど、と笑いじゃっくりをしながら留三郎が言う。
「それでも、もともと面白くねぇ気分でいる所に持って来てそれだからな。今頃は感情の遣り場に困ってるだろうよ」
「感情、とは」
「色々ひっくるめて"焼きもち"だな」
「……はぁ」
したり顔で留三郎が言った言葉で急速に意気がしぼんで、三木ヱ門は気の抜けた声を出した。
どうして皆、揃いもそろって同じことを言うんだ?
傍から見れば、会計委員会を切り回す委員長とその補佐役の上級生筆頭、と一括りにまとめたくなるかもしれないけれど、実際はそんな大層なものじゃない。せめて委員長の邪魔をしないように努め、できることならちょっとばかりの助力になりたいと精一杯な、力不足の四年生だ。
いや勿論、潜在能力はあるつもりだし、それを目覚めさせる努力は怠っていないと自負がある。
ただ、現在のところでは、委員長の右腕と呼ばれる立場を当然のものと受け止めるには役者不足だと自覚している。
即ち、文次郎にとって、田村三木ヱ門という後輩の存在は結構軽いのだろう――と思う。だからヘコむ、と言うわけではなく、いつかは今より重くなりたいと希う動機付けになっているのだが。
……このあたりの思考を他人に説明するのは難しい。それに、なんだか恥ずかしい。
「とにかく私は、食満先輩にたぶらかされてもいないし、竹谷先輩とも話をしていただけ、ということです」
「強引にまとめたな」
「それよりも、先輩は医務室を抜け出して何をなさるおつもりです?」

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