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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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結局、消灯前までに宿題に協力することを約束させられた。
「あーあ。今は先輩がすずめに熱中してるから、他のことをやってても叱られなくて都合が良かったんだけどなー」
言葉の割にはそれほど残念そうにも見えない表情で、喜八郎はちょうど頭上を横切ったすずめの一群を無造作に見送る。
訓練の名目で忍雀を八左ヱ門に張り付かせて何を隠しているのか探り出す、という仙蔵の目下の「遊び心」には、全くもって興味が無いらしい。作法委員会で六年生の仙蔵に継ぐ二番手の上級生だというのにそれでいいのかと、呆れ半分に尋ねてみようとして、三木ヱ門はそれを飲み込んだ。
ぶるるる、と鼻を鳴らした異界妖号が前脚で土を掻き、長い顔を左右に振った。
「ん、分かってるけどさ。いま話し中だから、ちょっと待ってて」
異界妖号の首を撫でて、団蔵が宥めるように声を掛ける。しかしその言葉を聞いた異界妖号は少し不機嫌になった、ように見えた。
「……そう言えば、すずめはどうやって情報を報告するんだ?」
人の言葉を喋らない馬と普通に意思疎通できている様子の団蔵の姿に、基本的な疑問に思い当たる。雛鳥から人が育てたカラスは喋るようになると聞くが、いくら良く仕込まれているとは言え、すずめに口頭で報告しろと言うのは無理な話だろう。
喜八郎は両手を上げて、それをそれぞれ互い違いに、かくかくと奇妙に動かした。
「手旗……、じゃなくて、手羽信号か?」
「惜しい。何羽かでまとまって、組体操でブロックサイン」
「……一体どんな調練を……何者なんだ、立花先輩」
「特訓から逃げるのはただのすずめ。逃げないのはよく訓練されたすずめ」
すずめにとって理不尽すぎる台詞を吐いて、喜八郎はどこか物憂げな目をした。

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