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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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用具倉庫のある方へ顔を向け、それからゆっくり首を巡らせて足元に目を落とし、もう一度焔硝蔵の方向を振り返る。
きり丸が倉庫から縄を持ち帰り、北石をタコツボから引き上げるまではすぐに済んだだろう。しかし、ここで木下や清八と顔を突き合わせたとき、目に付く範囲に掘り出した土は見当たらなかった。と言うことは、タコツボを埋めた土はどこか他の場所から運び込んだもので、結構な深さがあったから埋め戻す手間もかかったはず。きり丸はタダ働きは嫌だとぶうたれてゴネただろうし。
焔硝蔵から来てここを通り元タコツボの上に足跡をつけていった二人は、三木ヱ門が焔硝蔵を立ち去った後もしばらくそこに留まって、何かをしていたというわけだ。
「ひとりは久々知先輩だろうけど……、もうひとりは善法寺先輩なのか?」
だとすると、一緒にいるはずの一平の足跡らしいものが伴走していないのが引っ掛かる。どちらかがおんぶしていたという可能性もあるけれど、まさか足跡から追跡されることを想定してそんな撹乱をしたとも考えにくい。うっかり転んで膝をすりむいたのを背負ってやったのかもしれないが。
「それにしても――何から逃げたのかな」
新しい土の上を踏んでくっきり残った足型はここまで来てもまだ走った痕跡がある。
三叉路を通って向かった先は、校舎だ。
この先からは人通りが多くなるから、特定の足跡だけ拾って歩くのは難しい。兵助本体の姿を探したほうが良さそうだ。
そう判断して三木ヱ門が校舎の方角へ足を向けたその時、目の前を一陣の突風が吹き過ぎた。


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