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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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忍者アナライズ
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いかにも呆れたようなその仕草に、これだけは主張せねばという勢いで団蔵が言う。
「期限を破って食べたんじゃないぞ! 全部こぼしちゃったから一匙も口に入れてない」
穿った墓穴をさらに掘り下げる言葉に、はーぁ、と左吉が溜息を吐く。
さっきの目配せをたちまち反故にして、ちょっとした嘘もつき通せないのは、信用第一の馬借としてはかなりの美徳には間違いない。馬借としては。
しかし今やるべきは、委員長とその代理たちが巡らせた陰謀を大向こうに回しての"忍者ごっこ"だ。
「善法寺先輩の居所は"鼻の薬"の噂を流しながらそれとなく探せばいい。ついでに――そうだな、生物委員と火薬委員、それに鉢屋先輩の様子も気に留めておけ」
「はい!」
居住まいを正し改めて告げる三木ヱ門に、一年生たちがいい返事をする。
が、左吉がぴっと挙手をした。
「この作戦は三人で行うのですか?」
対象が委員会ごとにまとまって行動していればいいけれど、十二人の各委員に対して会計委員三人では監視網が隙だらけだ。
「神崎先輩の行動範囲の広さは噂の流布と情報収集にはうってつけだと思いますが、参加されないのでしょうか」
「左門は加えない。今日は作兵衛の慰労で、自主的に部屋で大人しくしているそうだ。いざ情報を持ち寄る段になって正しく戻って来る可能性は低いし、寝た子をわざわざ起こすのも面倒だしな」
「富松先輩の慰労でお昼寝してらっしゃるんですか?」
冗談なのか本気なのか測りがたい口調で左吉が言う。三木ヱ門が変な顔をすると、用具委員会はこのところ働き詰めで疲れているでしょうからそう思いましたと補足した。
「用具委員会が他の委員会に予算を取られたと言う話は、そんなに広まっているのか」
「一時はもちきりでしたよ。一年生の間では相手は体育だって言われてました」
な、と団蔵と左吉が頷き合う。
「でも、本当は生物なんですよね?」
「どうやらそうらしい、という段階だけど」
「一体何で勝負をしたんだろう」
「それも追々調べてみるか。――ああ、今日の鉢屋先輩は竹谷先輩の顔をしていらっしゃるから気をつけろ。今はまた変わっているかもしれないが」

それではいざ、散開。


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