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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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「――なんて具合に運べば上々」
伊作を引き据えて問い詰めるところまで行かなくても、薬、薬とやいのやいの言われて少しでもボロを出したら、そこを手蔓に真実を手繰ればいい。持久戦になるかもしれないが、どれだけ時間をかけても白日のもとに晒すべき良からぬ企てを、きっと隠している。
「隠し事を暴こうとするなら最も落としやすい部分から切り崩していくのが定石。今回はそれが不用意な発言をした善法寺先輩だったということだ」
そう結んで話しを終えた三木ヱ門の顔をまじまじと眺めていた一年生たちは、ややあって、交互に口を開いた。
「悪どい」
左吉が眉をひそめる。
「ひどい」
団蔵が目を瞬く。
「面白そう!」
声を揃えて顔を輝かせる。普段はきゃあきゃあ賑やかな一年は組を醒めた目で遠巻きにしている左吉が、団蔵と手を打ち合せてはしゃいでいるのを、三木ヱ門は珍しい生き物を見るような気分で見た。
「隠匿している出所の怪しいお金とか、正規ルートではない闇取引の実態があるかも知れない」
「それに繋がる情報をわざと誤解したまま広めて動揺を誘い、尻尾をつかむ」
「風の術だ」
「マルサみたいだな」
「"鼻の薬"の噂を流したら、あとはじっと善法寺先輩の観察ですね」
「善法寺先輩はどちらにいらっしゃるんですか?」
「それが、分からない」
盛り上がりに水を差す三木ヱ門の一言に、団蔵と左吉が手を取り合ったままぺしゃんとつぶれた。


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