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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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「しかし体育委員会と言えば、穴を掘るかバレーをするかランニングするかばっかりじゃないか。委員会として、他の生徒の役に立つ活動を、いつどこでしているというんだ」
校庭中を地下通路にしては地面を陥没させてたまたま地上に居合わせた者を巻き込み、バレーボールを破裂させては次から次へと借り出し、トスされたものはとりあえずアタックする委員長のお陰で他の委員会がどれだけ備品を破壊されて泣きを見たことか。
論点をずらして三木ヱ門が指摘すると、滝夜叉丸は正直にもぐっと詰まった。顔を赤くして必死に反論の糸口を探している姿を見て勝ち誇る三木ヱ門の袖を、つんつんと喜八郎が引く。
「ねー、三木ヱ門。予算会議の時に、会計委員長が”体育委員が掘りまくった塹壕を埋めるのに手間と費用がかかってる”って言ってたよね」
「え? ああ、確かにそうおっしゃったが、それがどうかしたか」
「で、穴を埋めてるのは用具委員会だよね。前に食満先輩が”誰が埋め戻してると思ってる”って怒ってた」
「お前も叱られただろ」
「それは今関係ない。外部に発注して人足を頼んでる訳じゃないし、用具に手間賃を払ってる訳でもないのに、手間はともかく費用はどこにかかってるのさ?」
「えー……と……」
「使途不明金だよねー。会計委員会はどうしてそれを見過ごしてるの」
「その通りだ。大いに怪しい。何と言っても、会計委員会に会計監査は入らないのだからな」
風向きが変わったと見た滝夜叉丸が喜八郎に便乗する。三木ヱ門はたちまち眉を逆立て、い組の二人を睨みつけた。
「お前ら、僕たち会計委員会が予算を着服しているとでも言うのか!? 潮江先輩がそんな卑怯をする筈があるか!」
「そんな事は言っていないだろう。何を焦っているんだ」
「言ったも同然だろう! 疑うなら好きなだけ過去の帳簿を検算させてやる。体育委員長の物損記録ならば延々と出て来るぞ」
「何だと!」
猛烈な勢いで食って掛かる三木ヱ門に滝夜叉丸の余裕ぶった態度が脆くも崩れ、掴み合い寸前の二人から喜八郎がそろそろと距離を置く。それに気付いて滝夜叉丸が怒鳴りつけた。
「喜八郎! 言い出しっぺが逃げるな!」
「ケンカはやだよ。めんどくさい」
明後日の方角に視線を飛ばしていた喜八郎は、険悪な雰囲気はどこ吹く風で髪の毛の先をくるくるといじりながら、それに――と付け足す。
「体育委員会って結局、経費がかかるような活動はほとんどしてないんでしょ。それなのに、何に予算を使ってるの」
「……」
「その通りだ! 体育委員会こそ使途が怪しい!」
「体育の分を、作法委員会に回してほしいよね。うちは色々とお金がかかるんだから」
「……」
敵の敵は味方ではなく敵の敵も敵だった事態を悟った滝夜叉丸と三木ヱ門は、やむなく講和した。


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