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. . . . . . . . . . . . ぐだぐだ雑記兼備忘録です。
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written by 大鷲ケイタ
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今日は用具委員が全員出払っているから、顧問の吉野先生に頼んで倉庫の鍵を開けて貰わなければならない。保健委員の数馬が水汲みついでに懐紙を貰いに行ったと聞いたのを思い出し、事務室へ立ち寄ってみると、文机に山のように書類を積み上げた吉野がその前で唸っているところだった。
「倉庫で縄を借りたい?」
庭先からの訪いに無愛想に応えた吉野は、三木ヱ門が来意を告げると、顎ひげを引っ張りつつ渋い顔になった。
「君たちは忍たまなのに、縄を携帯していないんですか。忍者の必需品でしょう」
「……今日はたまたま、持っていませんでした」
「これがもし急な任務だったらそんな言い訳はできませんよ。現場に臨んでみたら必要なものが無かったなんてことになったら、命に関わります。日頃から気をつけねばいけませんよ」
吉野のきつい口調に三木ヱ門ときり丸は恐れ入り、ひたすら「ごめんなさい」と連呼して首を縮める。
眉を吊り上げてその様子を見ていた吉野が、ふと我に返った様子で肩の力を抜いた。
「……あー、こっちこそごめんなさい。八つ当たりですよ。大人げない」
懐を探って用具倉庫の鍵を取り出し、三木ヱ門に手渡す。自分は今忙しいので、必要なものを借りだしたら鍵をかけて、もう一度ここへ持って来て下さいと言う。
「面倒でしょうが、使ったものを返す時はまた鍵を取りに来るか、用具委員長へ預けて下さい」
「分かりました。……時に、その書類の山は」
「みなまで言いますな」
朱線や訂正印で文面が埋まって読めなくなった数々の書類を見遣り、吉野が重々しく三木ヱ門を遮った。
小松田が四苦八苦して作った書類が、それでもどう頑張っても用をなさなくて、仕方なく清書し直していたのだろう。それも、うんざりするほど大量に。
「こういう仕事って、用具委員が手伝うわけには行かないんですか? しんべヱと喜三太は鼻水とナメクジででろでろにしちゃいそうだけど、食満先輩はこういうのテキパキ済ませそう」
「うーん。魅力的な提案だけど、それは私の職権濫用になりますねえ」
事務作業は私の仕事で用具の子たちには委員会の仕事がありますからね、と文字を書き疲れた右手を揉んで吉野が苦笑する。感に堪えない顔をしたきり丸がぼそっと言った。
「今の台詞を学園長先生にすっごく聞かせたい」
「そうそう。学園長先生が、また何か思い付いたようですよ」




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